
第壱弐話外伝 雨月 1
雨が降っていた。
粒の重い、秋の雨である。夏の残り香を打ち消すそれはとても冷たく、否応なしにこれからの厳しい季節の到来を予感させる。特に今夜は冷え込みも厳しく、街行く人々の吐く息が白い。
その雨の中を、一人の学生が歩いていた。
冷たく澄んだ眼差しが印象的な、典雅な顔立ちの青年である。身長は一七〇センチほどだが、しなやかな歩運びが苛烈な鍛錬を窺わせる。スリムな体躯には鋼のバネのような筋肉が内包されているだろう。
傘は差しているが、青年の顔には街行く人々のような憂鬱や諦観はない。――大いなる水の恩恵を受けていながら、雨に不満を覚えるのは全く愚かな事である。梅雨も秋の長雨も、豊かな実りを約束する、大自然の恵みだ。それに感謝する事ができれば――雨の奏でる唄が聞こえる。潤される大地と共に奏でる、生命の歓喜の唄が。
しかし、雨の唄に耳を傾けていた青年は、その中に無粋な音が混じったのを知った。正確には、ずっと追跡していた者が、青年が人気のない路地に入った事で距離を詰めてきたのである。
「…やっとその気になったかい?」
つい、と上げた傘の縁に、地下足袋に革の脛当て、古めかしい焦げ茶の忍び装束が見える。もう少し傘を上げると、そこにあるのは鬼の面――
「・・・飛水流継承者、如月翡翠よな?」
闇が口を利いた――そんな声だった。数は――十人。
青年・・・公儀隠密、飛水流の継承者、如月翡翠は酷薄な笑みを口の端に乗せた。
「――僕を知っていて、なお名乗りをあげるのかい? 素人揃いもいいところだな、鬼道衆」
「徳川の世より続くうぬら飛水の者との…」
「――御託はいらない。さっさとかかって来い」
ピシャッ! と水が跳ねた。忍び装束の集団・・・鬼道衆忍群が地を蹴って如月の元に殺到する。先制の一撃は、雨を貫いて走る計十本の手裏剣!
ブオッ! と空気が鳴った。
如月が傘を盾のように掲げ、鋭く廻した音であった。水滴が弾け飛び、手裏剣もまた、全て弾き飛ばされる。
「――クッ!」
一間(一・八メートル)の槍を持った忍者が真っ先に突っかけ、鋭い中段突きを傘に向けて放つ。
突如、傘が閉じた。
「――ッッ!!」
次の瞬間、槍を持った忍者は喉を潰された事と、自分の槍が仲間を貫いてしまった事を同時に悟った。――如月は閉じた傘の突き一つで忍者の喉を砕くと同時に、槍の柄を捌いてその穂先を背後から接近していた忍者に誘導したのである。
続け様に閃く刃! 二本は頭上から、更に二本が下方から!
傘の先端が水溜りをつつき、跳ね上がった。
「――ッッ!」
跳ね上がったのは傘のみではない。水溜りにありえぬ量の水が竜巻となって跳ね上がり、忍び刀を跳ね返した。そして鋭く煙る、学生服姿。既にその手には傘ではなく、忍び刀が――
「――がッ!」
フィルムのコマ落としのように、包囲の外に如月が姿を現した時、忍者の喉は尽く血を噴き上げていた。
「――【如影斬】」
静かに呟き、残る四人を睨む如月。――誰一人逃がすつもりはない。もとより、この世に無理矢理繋ぎ止めている御霊を人工的に作り出した肉体に宿している、歪んだ生命体だ。放っておけばこの世の全ての生物に害為すものは、殲滅せねばならない。
向こうも、逃げるつもりはないようだ。だが突如、残る四人の忍者が如月に対して縦一列に並んだ。
「――ッ!」
茶色の忍者…先日戦った岩角の配下を先頭に突っ込んでくる四人の忍者! 大柄な茶忍者の作り出す死角から弧を描くチャクラムが飛ぶ。――間合いを取られれば茶忍者に押し潰され、横に逃げれば槍とチャクラムが襲い掛かってくる。
ひょい、と如月は傘を前方に投げた。
「!!」
一瞬だけ直立を保った傘を足場に、槍の間合い以上に跳ぶ如月。茶忍者を踏み台に、空中からの攻撃を画策していた青忍者に――【如影斬】! その勢いを殺さず、逆手に握った刀の柄尻を押さえ、チャクラムを投じる姿勢で硬直した緑忍者の肋骨の隙間を貫く。
黄忍者が振り返りつつ槍を横殴りに振る。使い方次第で槍も矛になる。
緑忍者の肉が刃を締め付ける前に刀を引き抜き、そのまま槍を刃で受け止める。――いや、受け止めはしない。身体ごと刃を捻って槍の衝撃を受け流し、更に相手のバランスをも崩す――【飛水流・白刃返し】。
「――グッ!」
槍ごと投げ転がされ、身を起こすと同時に短く苦鳴を発する黄忍者。如月が転身と共に放った苦無が喉に突き刺さったのだ。黄忍者はそのまま崩れ落ち、残るは茶忍者一人のみ。
「――ッッ!」
声を洩らさぬ気勢を上げ、茶忍者が突進してきた。――両腕で急所をカバーし、二〜三発食らうのを覚悟で渾身の一撃を叩き込む捨て身の戦法だ。しかし――甘い!
如月はギリギリまで茶忍者を待ち受け、茶忍者の拳が放たれた瞬間に体を外側に捌いて手首を手刀打ち、合気柔術に似た技法でころりと投げ飛ばす。――【現代】の合気柔術と異なるのは、相手を投げ飛ばすと同時に自らも密着し、刃を脇腹から心臓に滑り込ませた点だ。――動作の一つ一つが必ず次の攻撃に連なる、背筋が寒くなるほど合理的な戦術理論(。これが古流の技、現代まで続く飛水流だ。
だが、如月が素早く身を起こした時、即死した茶忍者の胸板が爆発した。
「――ッッ!」
四方八方に飛び散る鉄片! 如月はとっさに身を捻ったものの、広がり飛ぶ鉄片全てをかわす事などできず、前腕、肩、脇腹に裂傷を負う。――が、今日は雨。地相の助けをも得た水の鎧のため、傷の深さは二ミリ足らずで済んだ。
素手と見せかけて仕込み刃――卑怯とは言わない。目的遂行の為ならば情も友愛も道徳も捨て、誇りも尊厳もなく戦うのが忍者だ。仕込んでいたのがソードオフならば火薬の臭いで察知できたが、古典的なばね仕掛けとはやってくれる。――運が良かった。
「――邪妖滅殺」
低く呟き、如月は再び傘を開いた。――忍者どもの死体には目もくれない。このまま路傍に打ち捨てておいても、クローン技術と外法によって造られた忍者たちは、その死と共に塵に帰る。数分を経ずして、跡形もなく消えてしまう筈だ。
だが、先ほどと同じ静かな如月の足取りが急に乱れた。
「――クッ・・・刃に毒が・・・!」
それも、相当強力な毒だったようだ。如月は飛水流の後継者として、様々な漢方薬を服用する事により、毒に強く鍛えられている。そして飛水流の奥義は水を操る事――血流さえ操る彼は体内に侵入した毒を速やかに排出する事が可能だ。その彼をしてこれほどの効果を与えるとなると、蟲毒(のような邪法由来の毒だろう。――やはり、さすがは忍者、やってくれる。
「ここで追撃を受けるとまずい・・・。どこかに隠れないと・・・」
家まであと五百メートル。店まで辿り着ければ、解毒剤の【麝香丸(】がある。さもなくば、せめて数時間休める場所があれば何とかなる。しかし如月の意識は急速に混濁し、闇へと引きずり込まれていった。
(僕としたことが・・・とんだドジを・・・)
表通りまで出たところで、如月は傍にあったブロック塀にもたれ、そのまま無防備に倒れ込んでしまった。
それから十数秒後、小走りに駆けて来た足音が如月に傘を差し掛けた。
夢を見ていた。
幼き日の夢である。両親が――海外で事故死したと聞いて間もない日の事だ。両親がトレジャーハンター…いわゆる宝捜し屋をやっていたと知ったのは最近の事だから、当時の如月は何も知らず、普段から家にいないのが当たり前の両親が死んだと――もう帰ってこないのだと知らされても、余り感慨はなかった。
幼い如月が向かい合っているのは祖父である。事実上、如月の育ての親だ。学校では習わない勉強や、強い肉体を作るための修行、薬物や劇物の知識――そういうものを仕込んだのもこの祖父であった。
その祖父が、神妙な顔で言う。
「翡翠よ…。よく聞きなさい」
「…はい。お爺様」
この時の祖父が浮かべていた表情を、如月は良く覚えていた。苦悩と諦観――何か、酷く辛い事を伝えねばならぬような、顔。――いつも朗らかに笑い、時に厳しい、如月の大好きな祖父がこんな表情を浮かべた事はこれまでなかった。
「お前には、果たさねばならぬ使命がある」
重々しい口調。如月は酷く緊張した。
「我ら飛水の者は、徳川幕府の発足以来、この江戸を守護してきた。たとえ今、幕府が消え、仕える主がなくなっても、この江戸を、東京という街を守護するという使命は変わらぬ。――我らが護るものはここに集い、住まう人々であるが故に」
「……」
「…心を動かされるな。飛水の血を引く者として、その命(を全うする事だけを考えるのだ」
「……」
「無の心を忘れるでない。さすれば、お前は、より強い力を得ることができようぞ」
「無の心を…」
「心を閉ざすのだ…。我らが守護神――【玄武】の如く。硬い甲羅の奥底に心を沈めよ。お前には――使命があることを努々忘れるでないぞ――」
「はい。お爺様――」
「良いな。翡翠よ…。だが、もしも…もしもお前に…」
「お爺様?」
急速に遠のいていく祖父の姿。幼き日の如月は立ち上がった。だが、追いつけない。
「お爺様――!」
祖父は何を告げようとしたのか? 今もその答えはない。その後間もなく――如月が中学生になって間もなく、祖父もまた、失踪してしまったのだ。
幼き日から、今の如月へ――しかし彼の前には、暗黒が広がるばかりであった。
ぷん、と香った良い匂いが、如月の意識を覚醒させた。
(ここ……は…?)
見覚えのある、古ぼけた天井板。昔ながらの蛍光灯。壁にかかった水墨画の掛け軸――
(僕の家…か?)
いつの間に帰ってきたのだろう? ――昨夜の記憶がほとんどない。確か雨が降っている中、鬼道衆の忍者と戦い、それから…。
(浴衣…? それに布団も…いつ?)
そこで、如月は初めて、空気に漂う良い香の正体を知った。
「――うん、これで良し――ッと」
台所にエプロンをした少女が立ち、朝餉の支度をしているのである。良い香は味噌汁のそれであり、薄く漂う煙には焼き魚の香が伴われていた。そして――たった今少女が椀に盛ったのは、葱を散らした粥であった。
(こ、これは――どういう状況だ…!?)
祖父が失踪して以来、ここまで他人を上げた事のない如月である。何しろここは骨董品店としての顔だけではなく、祖父と両親が築き上げた裏世界のガンショップという顔もあるのだ。たとえ【表】向きの家の中といえど、他人を上げる訳には行かなかったのである。
(前後不覚の時に、僕は何かしたのか? 着替えた覚えもないのにこの格好と、この布団の位置…。一体何が僕の身に…? まさか僕はこの少女に何か良からぬ事を…?)
と、そこまで考えた時、如月の脳裏に一人の男の顔が浮かび、彼は慌てて頭を振った。――いつの間にか彼の特異な性癖が感染している。
しかし、この状況は一体何なのか!? 如月が呆然としていると、エプロンの少女が振り返った。
「あら――? どうやら目が覚めたようね」
やや冷たい感じのする口調。わりと長めの髪を校則に従ったリボンで留め、細い黒縁メガネをかけている。――目鼻立ちの整った美人タイプではあるが、口調と同じく、冷たい雰囲気。いわゆる優等生…委員長を務めるタイプだ。
(この娘は確か…同じクラスの橘(朱日(…)
「さて、何があったのか、説明してもらえる?」
いきなり切り出してくる。委員長を務めるタイプ…ではない。実際に、如月の通う王蘭学院三年B組のクラス委員長だ。
「何故、君が僕の店にいる?」
やや混乱しているものの、如月は本来の自分を取り戻し、逆に聞き返した。
疑心暗鬼が如月の口調を鋭くしている。一応、顔見知りであるものの、朱日は少しうろたえた。
「あなたの店を訪ねて来たら、あなたがこの先の通りで倒れてたの。――あんな雨の中、そのままにしておく訳にも行かないから、ここまで運んで寝かしたの」
「…この手当ても君がしたのか?」
「ええ」
「…浴衣に、布団も?」
「ええ――雨でずぶ濡れだったし、服に血も付いていたから。それに、酷く汗もかいてたし、放っておける様子じゃなかったわ。如月君の知り合いなんて知らないし、一度かかってきた電話も間違い電話だったし」
ごくさらりと答える朱日。
(あれから気を失ってしまったのか…。路上で意識を失うとは情けない…)
もし新たな敵が現れていたら、確実に止めを刺されていた。実に運が良い――と考え、如月はそんな考えを振り払った。
運ではあるまい。鬼道衆側も、自分一人にそれ以上の戦力を割けなかったのだ。個別撃破とは良い戦術ではあるが、こちらの【仲間】たちも一筋縄では行かない連中ばかりだ。昨夜の忍者クラスならば三桁に届く人員を投入すればあるいは何とかなるだろうが、この期に及んでまだ隠密裏に事を運ぼうとすれば、あれくらいの人数しか動かせまい。忍者の製造工場であったローゼンクロイツ学院を破壊した今、鬼道衆とて、有り余るほどの人員と装備を有している訳ではないのだ、
「私も聞いていいかしら? なぜあんな路上で倒れていたの? それに家には誰もいなかったし、帰っても来なかったけど、御家族の方は?」
朱日の言葉が如月を現実へと引き戻す。
「…僕一人だ」
「え…?」
「両親は僕が幼い頃に他界した。祖父もその数年後に失踪した」
明らかに動揺する朱日。まずい事を聞いてしまったと後悔しているのだろう。――そう考えられるのならば、彼女は善人だ。
「ごめんなさい。余計な事を言って…」
「――別に構わない。もう慣れた」
つい、断ち切るような口調になる。――いつもこうだ。そして、これで正しい――筈だ。
「あの…。どうしたの、一体?」
口調の変化が、彼女の興味…と言うより、不審を誘ったのだろう。朱日が再度問い掛けてきた。
「怪我してたけど…あれは刃物の傷でしょう?」
「――悪いが、もう帰ってくれ」
「え?」
「今日、ここで見た事は全て忘れるんだ。僕には関わらない方がいい」
「……」
なかなか鋭い朱日の観察眼に感心しながらも、如月は冷たい口調を変えなかった。ただ――毒の影響か、声にいつもの力がない。それに少し、気弱になっていたようだ。
「事情を話したところで、君には理解できない事だ。おとなしく帰りたまえ」
「――噂通りなのね」
嫌われる事間違いなし――どうでもいい事だ――の言葉を浴びせても、それゆえにかえって朱日は言葉を返してきた。
「学業優秀。スポーツ万能。茶道部の部長を勤め、女子からの人気もある。――でも、誰にも心を開かず、友達付き合いは皆無。何を考えているのか判らない【氷の男(】」
「……」
そう。それが自分の、如月翡翠の正当な評価だ。――誰に解って貰おうとも思わない。友達など必要ない。【氷の男(】? それで結構だ。
そこで言葉を切り、朱日は一枚のプリントを差し出した。
「…これは?」
「王蘭学院(の文化祭のプリント」
「……」
「私、クラス委員だから。――最近、あなた、学校を休んでるでしょ? 先生が私に届けて来いって――そういう事よ」
「…そうか」
別に自分が何かした訳でも、個人的な用事があった訳でもなかったという事だ。単に――クラス委員としての仕事を果たしに来ただけだったのだ。
「それじゃ、私帰るわ。――そうだ。冷蔵庫にあった材料でお粥作っておいたから、良かったら食べて。制服は洗濯機の脇、ワイシャツは洗面器に漬け置きしてあるわ」
「あッ、あァ…」
「いろいろ【勝手な事】して、ごめんなさい。――それじゃ、さようなら」
如月に負けず劣らず冷たい口調で告げ、その癖朱日は特に怒った様子も見せず、店を出て行った。
…これで良い。自分には使命があるのだ。それにこの静かなる戦争――戦う【力】を持たぬ一般人が関わる余地はない。
彼女が出て行った玄関を束の間見つめ、平和な現実から目を逸らすように如月は肩で風を切った。すると浴衣の裾がはだけ――
(ん――? 蝶々結び? 最近の若者は浴衣の帯の締め方も知らないのか…って、傷に障らないようにしたのか…――ッッ!?)
彼女――橘朱日は如月が【路上に倒れていた】と言った。それは昨夜の話であり、今は朝。更に自分は着替えができる状態ではなく、彼女も「放っておける様子じゃなかった」「家族は誰も帰ってこなかった」と言った。つまりそれは、彼女は一晩ここにいたという事か!? 自分を着替えさせ、傷の手当てをした後もここに留まり、電話まで受けた!? ――如月の顔は真っ赤になり、同時にフラフラっと立ちくらみに襲われた。
(そこまで無防備になっていたとは情けない…。まさか彼女はその時に何か…いや! 考えすぎだ!)
またしても脳裏に浮かぶ、長い前髪で目元を隠した、むっつりへの字口の男の顔。――いつの間にか、彼に相当毒されているらしい。特に先日の後楽園遊園地では…と、如月は嫌な記憶が甦ってくるのを必死で振り払った。
(まったく…!)
どっと疲れてしまい、そこで急に如月は空腹を覚えた。考えてみれば昨夜は何も食べていなかったのだ。そして気付いたのは、朱日が用意してくれた朝食。鯵の干物に、大根の味噌汁、刻んだ葱を入れたお粥。カップ納豆。味付け海苔に、生卵。絵に描いたような、普遍的な日本の朝食…。冷たい態度を取ったにせよ、その厚意まで無碍にするほど如月は冷血漢ではなくなっていた。
「……旨い」
自炊をしている如月であるが、決して料理の腕は良くない。他にやるべき事が多すぎて、ゆっくり料理を覚えている暇などないからだ。最近では、新宿・真神学園の旧校舎なる場所で戦闘訓練を行った後、栄養価の高いスタミナ料理などを【仲間】たちと囲む機会を持つようになり、順繰りの炊事係もこなして食事の楽しさと味を再認識するに至ったが、まだまだである。そして実際、朱日の料理は旨かった。そして…
「温かい…な」
如月はそれを、残さず綺麗に平らげた。
第壱弐話外伝 雨月 1
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