第七話 恋唄





 
 渋谷で龍麻に体当たりをかまして以来ストーカーと化していた比良坂さんがデートしてくれと迫ってきました。

 ステータス的にはマジ好みの比良坂さんですのでモテる要素がない龍麻には二度とないチャンスでしたが、フラグクラッシャーな彼はきっと宗教の勧誘か高額商品のセールスだと思い断ってしまいました。やはり放課後すぐのマリア先生とのちょっとえっちなイベントで、「体を見せて」と言われただけでいきなりズボンを脱いでしまって嫌われたのが響いていたようです。

 次の日、龍麻はサイコな手紙を受け取りました。女の子を預かっていると書かれていましたが、心当たりがないので華麗にスルーしました。

 するとなにやらホモ臭漂う死蝋さんという科学者が解剖させろと迫ってきました。ここで断らない人は真性のMです。

 普通に断ると、ゾンビがぐるりと輪をかいて迫ってきます。「志村ー! うしろー!」と叫んだ比良坂さんに気を取られた龍麻は捕まってしまいました。

 龍麻が三日も無断欠席してからようやく腰を上げた薄情な京一君たちに、死蝋さんに龍麻(オモチャ)を取られて拗ねた比良坂さんがタレ込みに行きました。

 死蝋さんの作った突然変異妹にSMゴッコをされかけた龍麻でしたが、比良坂さんが兄妹喧嘩を始めてくれたのであっさり逃げる事ができました。

 貞操の危機を脱した龍麻はすぐに警察に通報しましたが、桃屋の七色頭巾の赤いのが放火していったので、哀れ死蝋さんと比良坂さんは逃げ遅れてしまいました。

 人間は何の為に生きているのでしょう? なにやら哲学的な余韻を残しつつ、また一つ貴重なフラグを叩き折ってしまったとちょっと落ち込んだ龍麻でした。







第七話 恋唄  完    



目次に戻る      コンテンツに戻る