第壱拾参話 外法都市
またまた、唐突にも美里さんが失踪しました。江戸時代がどーとか電波に磨きがかかっていたのでまあこうなるんじゃないかと思いましたが、いい加減にしてください。桜井さんとマリィちゃんが泣いていますよ。 美里さんに家出をそそのかした悪い子は、高校生の癖にハーレムを実現している羨ましい奴、九角天童君です。さぞ色男で絶倫で巨ぬースキーなのでしょう。さあ皆さんご一緒に、「それなんてエロゲ?」 美里さんも家を出るなら卒業まで待てば騒動にならなかったのに、最近の若い者は堪え性がないですね。でも宿題を写させてくれる人が居なくなるのは困るので皆で迎えに行きます。 途中で天野さんに話を聞くと、九角君が色々な事件を起こしていたテロリストのリーダーだそうです。ハーレムまで持っているのにそれで満足できないなんて、なんて悪い奴でしょう。 皆で九角君ン家に押しかけていくと、彼は涙涙の人生を語り始めました。なんでも古臭い江戸時代の恨みを延々と語り継いでいる狸のように執念深いご先祖達に苛められてきたそうです。 そうは言ってもハンサムだし、ハーレムまで持ってるのが気に入りません。女にモテる奴は、それだけで絶対同情なんかしてあげません(超力説)。 しかし国宝級の日本刀なんか持っていて強そうなので、もっと詳しく事情を聞く事にしました。するともう彼は天涯孤独で失うものなど何もないと力説しやがりました。 「だったらもう自由じゃね?」とツッコむと、九角君は「それは気付かなかった」と改心してくれました。案外抜けている所が好感を持てます。 とは言え今まで悪い事をしてきたのは事実なので、通報はせずに自首を勧めました。包み隠さず事実を全て話すよう助言すると、案の定、電波少年だと思われて彼は無罪放免され、彼とは良い友達になれました。今度ハーレムに招待してください。マジお願いします。 美里さんは別に彼の好みだった訳ではなく、なんか変なものが見える目玉に興味があっただけだそうです。そりゃ、別に女に不自由していませんしね。 こうしてはた迷惑な【きどーしゅー】は解散し、龍麻はようやく平々凡々な毎日に戻る事が出来ましたとさ。 第壱拾参話 外法都市 完 第一部完 目次に戻る コンテンツに戻る |