第壱拾壱話 変生(後編)
醍醐君が学校を休みました。桜井さんも休みです。まあ、たまにはそんな事もあるでしょう。 そう思っていたら、桜井さんから事件の顛末を聞かされました。さあ大変です。下手に通報すると桜井さんも共犯にされる可能性大です。 桜井さんを守る為、とりあえず醍醐君を探す事にしました。佐久間君の死体がないのでそれしかありません。 如月君の話によると、醍醐君は【白虎】だそうです。彼って絶滅危惧種だったんですね。 裏密さんの占いによると、醍醐君はお師匠さんの家にいるそうです。ぶっちゃけ占う必要はなかったかも知れませんが、眼鏡っ子の厚意は大事にせねばなりません。 醍醐君を迎えに行く途中、中央公園で桃屋の七色頭巾の茶色いのに囲まれましたが、茶色いのがなんかどもっている間に通報しました。 この分だと醍醐君の方にも何かいそうなので、東急ハ○ズでサイレンを買って鳴らしながら駆け付けました。 裏密さんの言うとおり、醍醐君がいました。聞けば家を囲んでいた七色頭巾の赤いのはサイレンが聞こえたのでびっくりして逃げて行ったそうです。意外と根性なしですね。 それはそうと、醍醐君は現実逃避して引きこもっていました。でっかい図体の割りに情けない奴です。 こういう場合はえっちな刺激で目を覚ますのがテンプレですが、龍山先生が【こんな事もあろうかと】と宇宙戦艦ヤ○トの真田さんみたいな事を言って、【マジックモーニングスター・おはようマイマザー・一番星くんグレート】を貸してくれました。 こいつでドタマぶっ飛ばせばどんなに深い、たとえ魔法の眠りであっても、絶対、一発で目が覚めるそうです。ただし寝たふりの場合には死あるのみだそうです。 それなら俺がと、醍醐君の勝手な行動に怒っていた京一君が名乗りを挙げました。殺意満々で一番星くんグレートを振り下ろすと、醍醐君は必死で逃げました。どうやら寝たふりだったようです。 本当なら自首させないといけないのですが、なんと佐久間君は誰のおかげか病院に収容されていて無事でした。当時の記憶もないそうですし、これで一件落着としておきましょう。 第壱拾壱話 変生(後編) 完 目次に戻る コンテンツに戻る |